Japanese
English
症例報告
ステロイド貼付剤が誘因と考えられた体部白癬の1例
A case of tinea corporis possibly due to steroid adhesive agent
櫻木 友美子
1
,
澤田 雄宇
1
,
佐々木 奈津子
1
,
西尾 大介
1
,
小林 美和
1
,
中村 元信
1
Yumiko SAKURAGI
1
,
Yu SAWADA
1
,
Natsuko SASAKI
1
,
Daisuke NISHIO
1
,
Miwa KOBAYASHI
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
1産業医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
体部白癬
,
ステロイド貼付剤
,
Microsporum canis
Keyword:
体部白癬
,
ステロイド貼付剤
,
Microsporum canis
pp.13-16
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205289
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要約 69歳,女性.十数年前に心臓疾患に対して外科的治療を施行後,胸部正中の手術創がケロイドとなり,種々のステロイド外用治療を行われた.同部位の治療をフルドロキシコルチドテープに変更した1週間後より貼付部に一致した落屑性紅斑が出現した.ケロイド上に存在する鱗屑をKOH直接鏡検法にて観察したところ糸状菌が存在し,スライドカルチャーにて大分生子を形成していたためMicrosporum canisによる体部白癬と診断した.フルドロキシコルチドテープの中止ならびにルリコナゾールの外用にて2週間で軽快した.貼付剤による密閉環境に加え,ステロイドによる局所の感染抵抗力の低下などが要因と考えられ,使用部位に一致した皮疹をみた際は,接触性皮膚炎のみならず真菌症を鑑別する必要があると考えられた.
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