Japanese
English
症例報告
皮膚病変より診断したmyeloid sarcomaの1例
A case of myeloid sarcoma diagnosed by skin lesion
篠原 理恵
1
,
荻田 あづさ
1
,
茂木 千紗都
1
,
安齋 眞一
1
,
川名 誠司
1
Rie SHINOHARA
1
,
Azusa OGITA
1
,
Chisato MOTEGI
1
,
Shin-ichi ANSAI
1
,
Seiji KAWANA
1
1日本医科大学皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
キーワード:
myeloid sarcoma
,
腫瘤先行型
,
CD56
,
CD68
,
縦隔腫瘍
Keyword:
myeloid sarcoma
,
腫瘤先行型
,
CD56
,
CD68
,
縦隔腫瘍
pp.526-530
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103696
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要約
45歳,男性.血液疾患の既往はない.初診6か月前より左背部,左上腕,腹部,左臀部に径2cm大の結節を自覚した.近医にて生検の結果,悪性リンパ腫を疑われ,当科で上腕,腹部の結節を生検し,膠原線維の増生と異型性のあるリンパ球様単核球の集簇があった.免疫組織染色にて,異型細胞はCD34,CD43,CD56,CD68,TdT陽性,MPO陰性であった.皮膚病変のフローサイトメトリーにてCD33+ 76%,MPO+ 20%であり,myeloid sarcomaと診断した.CTにて頸部,縦隔に多発腫瘤があった.骨髄中に軽度異型性のある芽球が4%程度あり,骨髄病変に先行して皮膚病変を形成したと考えた.急性骨髄性白血病に準じた治療を行い,結節や頸部,縦隔の多発腫瘤は縮小した.その後骨髄移植を施行し,治療開始から12か月後の現在まで皮膚病変の再発,急性骨髄性白血病の発症はない.自験例は診断に苦慮した症例であり,CD56陽性となる疾患の1つにmyeloid sarcomaの可能性を考慮する必要がある.
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