Japanese
English
症例報告
ピルシカイニドが原因と考えられる多形紅斑型薬疹の1例
A case of erythema multiforme type of drug eruption caused by pilsicainide
江藤 綾桂
1
,
中村 美沙
1
Ayaka ETO
1
,
Misa NAKAMURA
1
1原土井病院皮膚科
1Division of Dermatology, Haradoi Hospital, Fukuoka, Japan
キーワード:
ピルシカイニド
,
薬疹
,
多型紅斑
Keyword:
ピルシカイニド
,
薬疹
,
多型紅斑
pp.587-590
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205158
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 68歳,女性.10日前より発作性心房細動の診断でピルシカイニド(サンリズム®),アピキサバン,ベラパミルを内服中であった.全身にターゲット状の滲出性紅斑と口唇のびらん,発熱を認め多形紅斑と診断した.3剤のリンパ球刺激試験を施行し,ピルシカイニドのみが陽性であったことから被疑薬と判断した.ピルシカイニドはVaughan Williams分類においてIc群に分類される抗不整脈薬である.1991年より本邦で発売となり頻脈性不整脈の治療に使用されている.われわれの調べえた限り本邦においてピルシカイニドによる多形紅斑型薬疹の報告はなかった.ピルシカイニドは薬疹の報告がきわめて少ない薬剤であるが,薬疹の被疑薬として鑑別する必要がある.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.