Japanese
English
症例報告
高齢者の手術前後に生じたアカツキ病の4例
Four cases of surgery-associated akatsuki disease in the elderly
塩原 順子
1
,
中村 大輔
2
Junko SHIOHARA
1
,
Daisuke NAKAMURA
2
1岡谷市民病院皮膚科
2岡谷市民病院外科
1Division of Dermatology, Okaya City Hospital, Okaya, Japan
2Division of Surgery, Okaya City Hospital, Okaya, Japan
キーワード:
アカツキ病
,
鱗屑痂皮
,
pomade crust
,
有棘細胞癌
,
Bowen病
Keyword:
アカツキ病
,
鱗屑痂皮
,
pomade crust
,
有棘細胞癌
,
Bowen病
pp.591-596
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205159
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要約 アカツキ病の報告は多くはなく,皮膚科的基礎疾患の上に精神疾患など心的機制が基盤にあることが多い.今回高齢者の頭部・顔面の有棘細胞癌ないしBowen病の手術前後の4症例で本疾患をみた.いずれも手術瘢痕,ないしその近傍に多発灰褐色貝殻様角化結節として認め,Bowen病の臨床所見と類似していた.1例では鱗屑痂皮の下に有棘細胞癌が存在した.うち3例は認知症などがあり入浴介助を受けていた.有棘細胞癌やBowen病のびらん・滲出液・手術痕などと相まって,介助者ないし本人の心的機制で病変部の洗髪・洗顔が不十分になった結果,数か月程度で生じたと思われた.鱗屑痂皮は攝子・指で容易に除去できるものの,頭部では毛髪も抜けるため,丁寧な泡での洗髪・洗顔のスキンケア指導を行った.高齢者の頭部・顔面に貝殻様角化結節を見るときには,診断をかねて角化物を少し除去してみるのもよいと思われた.
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