連載 Clinical Exercise・118
Q考えられる疾患は何か?
小野 さち子
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
pp.479-480
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205132
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症例
患 者:28歳,女性
主 訴:体幹部,頭部,四肢に鱗屑と小膿疱を伴う紅色環状皮疹
既往歴:14歳;IgA腎症,15歳;円形脱毛症,28歳;卵巣茎捻転
現病歴:中学生時に尋常性乾癬と診断され,外用加療で皮疹は収束した.23歳時より後頭部,腹部全周,四肢の一部に環状ないし連圏状で辺縁に襟飾り様鱗屑と小膿疱を伴う紅班を認め,その後消退と再燃を繰り返している.皮疹部は軽度の瘙痒を認めた.
初診時現症:腹部全周,後頭部,肘部に直径5〜20cm大の一部連圏状の環状紅斑を認めた(図1).紅斑辺縁はやや浮腫状で軽度の襟飾り様鱗屑と小膿疱を伴い,中心部は治癒傾向であった.全身症状なし.
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