Japanese
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特集 うつ病のバイオマーカー開発の試み
うつ病バイオマーカーとしての腸内細菌叢の可能性
Microbiota:The Potential Biomarker of Depression
酒本 真次
1
,
神谷 篤
2
Shinji Sakamoto
1
,
Atsushi Kamiya
2
1岡山大学病院精神科神経科
2ジョンズホプキンス大学医学部精神医学部門
1Department of Neuropsychiatry, Okayama University Hospital, Okayama, Japan
2Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, Johns Hopkins University School of Medicine
キーワード:
うつ病
,
depression
,
腸脳相関
,
gut-brain axis
,
ディスバイオーシス
,
dysbiosis
,
腸内細菌叢
,
gut microbiota
,
腸内代謝
,
gut metabolism
Keyword:
うつ病
,
depression
,
腸脳相関
,
gut-brain axis
,
ディスバイオーシス
,
dysbiosis
,
腸内細菌叢
,
gut microbiota
,
腸内代謝
,
gut metabolism
pp.198-205
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207196
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抄録
この10年余り,精神科領域において腸内細菌叢に対する関心が世界的に高まりをみせている。特に,うつ病や双極症,自閉スペクトラム症などと腸内細菌叢との関連が多く示されている。この背後には,腸内細菌叢と中枢神経系との間に複数の経路を介して双方向のコミュニケーションを可能にする「gut-brain axis(腸脳相関)」があり,その詳細なメカニズムも徐々に解明されつつある。本稿では,腸脳相関を中心に,腸内細菌叢や腸内代謝物がうつ病のバイオマーカーとなり得るかについて,最新の基礎研究や臨床研究両面の知見を基に概説し,またうつ病の治療ターゲットとしての腸脳相関の可能性も検討する。
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