Japanese
English
症例報告
粘液腺腫を合併した尿膜管遺残症の1例
A case of urachal remnant with mucinous adenoma component
土井 知江
1
,
高橋 祐史
1
,
有馬 良一
2
,
園田 早苗
1
Chie DOI
1
,
Yuji TAKAHASHI
1
,
Ryoichi ARIMA
2
,
Sanae SONODA
1
1国家公務員共済組合連合会大手前病院皮膚科
2国家公務員共済組合連合会大手前病院病理診断科
1Division of Dermatology, Otemae Hospital, Osaka, Japan
2Division of Pathology, Otemae Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
尿膜管遺残症
,
尿膜管囊腫
,
尿膜管腺腫
,
臍炎
,
臍部腫瘤
Keyword:
尿膜管遺残症
,
尿膜管囊腫
,
尿膜管腺腫
,
臍炎
,
臍部腫瘤
pp.171-175
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204999
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要約 48歳,男性.排尿時の尿中喀痰様分泌物と臍部の排膿を主訴に近医を受診した.粉瘤などの可能性を指摘されて当科を紹介された.初診時,臍窩部に母指等大の皮下結節を認め,下腹部に腫瘤を触知した.腹部MRIで臍部から膀胱に連続する囊胞性病変を認めた.尿膜管遺残症と診断し,全切除術を施行した.管状の尿膜管組織内にはムチン様粘液貯留や,一部に腺腫形成を認めた.悪性所見はなかった.尿膜管遺残症のうち,臍との交通を持つ型は臍部の炎症を主訴として皮膚科受診を契機に発見される場合がある.炎症の再発や発癌の危険もあり,臍部の炎症を診たときには,尿膜管遺残症も念頭に置く必要がある.
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