特集 外科系疾患に遭遇した時
外科系診療レベルアップ
⑧臍炎,臍周囲炎,尿膜管遺残症,卵黄囊管遺残症
鎌形 正一郎
1
1東京都立清瀬小児病院外科
キーワード:
臍炎
,
臍肉芽
,
卵黄囊管遺残症
,
尿膜管遺残症
Keyword:
臍炎
,
臍肉芽
,
卵黄囊管遺残症
,
尿膜管遺残症
pp.479-481
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100499
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胎生10週までに腸管などの臓器は腹腔内に戻り,胎生12週で両側の腹直筋が臍部を残して寄り出生時には臍輪は臍静脈,1対の臍動脈,そして線維性の尿膜管などを含む臍帯を残して消失する.臍帯が乾燥脱落すると,肉芽組織が残り,これが瘢痕・表皮化されて収縮,陥凹して臍を形成する.臍からの滲出の多くは,この臍帯の構成成分や他の迷入組織があるために生ずる.臍部の発赤や滲出を訴えて来院する新生児・乳児は比較的多く,この大部分は臍炎で経過をみていると治癒するが,時には肉芽形成がみられ,臍の分泌が持続して器質的な疾患が発見されることもある.この稿では日常の診療でよくみられる臍部の病変について述べる.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.