連載 Clinical Exercise・113
Q考えられる疾患は何か?
藤井 瑞恵
1
1旭川医科大学皮膚科
pp.7-8
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204961
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症例
患 者:60歳,女性
主 訴:両下肢の多発する紫斑,水疱および両足内果の手掌大までの皮膚壊死.
既往歴:57歳から高血圧で内服加療中.
家族歴:特記すべき事項なし.
現病歴:初診の1か月前から,37〜38℃台の発熱と両下腿の浮腫および両膝関節痛を自覚していた.その後両側の耳漏・聴力低下・両側球結膜の充血が出現し,両下肢を中心に紫斑が散在するようになった.その後も全身に浮腫が拡大したため,初診の数日前に当院膠原病内科に入院した.入院後,両下肢を中心に紫斑が急速に増大,血疱化し,両足内果の広範囲な皮膚壊死を認めたため,皮膚症状に関して当科を受診した.
入院時現症:両足内果を中心に手掌大までの周囲に紫紅色の紫斑および紅暈を伴う褐色の皮膚壊死がみられ,その周囲には爪甲大までの大小さまざまな血疱を伴う紫斑が散在していた(図1).
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