連載 Clinical Exercise・38
Q考えられる疾患は何か?
原田 和俊
1
,
島田 眞路
1
1山梨大学医学部皮膚科
pp.819-820
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102737
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症例
患 者:18歳,女性
主 訴:右手から前腕の腫脹,硬化
家族歴・既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:長時間の試験勉強の後,右第4指の指腹が腫脹しはじめた.腫張はほかの指にも拡大し,右手のMP関節の屈曲障害も出現するようになった.近医にて理学療法を行ったが症状は徐々に悪化し,手関節の可動制限,前腕の硬化も出現してきたため,当科を受診した.
現 症:右前腕から手背にかけて,皮膚は板状に硬化,腫脹していた.皮膚は浮腫状で光沢を帯び,色調はやや紫紅色調であった(図1).手指の末端部の硬化はなく,Raynaud現象も認められなかった.以上の所見は右上肢のみに限局し左上肢,下肢,軀幹の皮膚は正常であった.
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