Japanese
English
症例報告
多彩な皮疹を呈したYersinia pseudotuberculosis感染症の1例
A case of Yersinia pseudotuberculosis with various types of eruptions
伊集院 景子
1
,
山本 篤志
1
,
神吉 晴久
1
,
西井 径子
2
Keiko IJUIN
1
,
Atsushi YAMAMOTO
1
,
Haruhisa KANKI
1
,
Michiko NISHII
2
1兵庫県立淡路医療センター皮膚科
2西宮市立中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hyogo Prefectural Awaji Hospital, Sumoto, Japan
2Division of Dermatology, Nishinomiya Municipal Central Hospital, Nishinomiya, Japan
キーワード:
エルシニア
,
スーパー抗原
,
Yersinia pseudotuberculosis-derived-mitogen
Keyword:
エルシニア
,
スーパー抗原
,
Yersinia pseudotuberculosis-derived-mitogen
pp.711-716
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204863
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要約 10歳,女児.2010年5月下旬より全身倦怠感,38℃台の発熱や腹痛,肝機能障害および手掌や足底に紅斑が出現したため当科を紹介受診した.クラリスロマイシン投与で症状はいったん改善したものの,12日後より発熱が再燃し,両下腿に結節性紅斑様皮疹が出現した.入院および抗生剤の変更(ミノマイシン,セフメタゾール)を行い,皮疹は約10日で四肢の膜様落屑を残し改善した.各種ウィルス抗体価の測定ではHBV,HCV,HSV,CMV,ヒトパルボウイルスB19抗体価は陰性.EBVは既感染パターンであった.5月下旬とその2週間後のペア血清で,エルシニア抗体価の上昇を認めたためエルシニア感染症と診断した.発熱と腹痛,また結節性紅斑様皮疹や膜様落屑など多彩な皮疹を呈する小児を診察した場合は,井戸水の飲水や動物との接触がなくてもエルシニア感染症も鑑別に挙げて精査を進めるべきである.
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