連載 Clinical Exercise・106
Q考えられる疾患は何か?
坂井 博之
1
1市立旭川病院皮膚科
pp.461-462
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204803
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症例
患 者:32歳,男性.ハム製造工場勤務
主 訴:右手の痛痒い紅色皮疹
既往歴・家族歴:特記すべきことなし.
現病歴:初診の1週間前に素手で豚肉の処理中,右手背に軽微な擦過傷を負った.受傷後2日目に同部に痛痒い紅斑および腫脹が出現し,徐々に遠心性に拡大してきた.
現 症:右手は浮腫状に腫脹し,右手背に大きさ90×80mmの環状紅斑性局面を認めた.局面の中心部には淡褐色の色素沈着と数か所の痂皮化した擦過傷があり,辺縁部は15×10mm大程度までのやや浸潤を触れる鮮紅色ないし暗赤色の紅斑および丘疹が環状に配列していた(図1).
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