Japanese
English
症例報告
KID症候群の1例—感染コントロールの重要性
A case of KID syndrome and the impact of infection control in the case
角田 梨沙
1
,
大山 学
1
,
池田 政身
2
,
加藤 りか
2
,
戸田 郁子
3
,
坪田 一男
4
,
久保 亮治
1
Risa KAKUTA
1
,
Manabu OHYAMA
1
,
Masami IKEDA
2
,
Rika KATOH
2
,
Ikuko TODA
3
,
Kazuo TSUBOTA
4
,
Akiharu KUBO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2高松赤十字病院皮膚科
3南青山アイクリニック
4慶應義塾大学医学部眼科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology, Takamatsu Red Cross Hospital, Takamatsu, Japan
3Minamiaoyama Eye Clinic, Tokyo, Japan
4Department of Ophthalmology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
KID症候群
,
真菌感染
,
抗真菌薬
,
有棘細胞癌
Keyword:
KID症候群
,
真菌感染
,
抗真菌薬
,
有棘細胞癌
pp.347-352
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204716
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要約 26歳,女性.出生時より頭部無毛,耳介・爪甲の変形,掌蹠過角化,重度の感音性難聴を認めた.後に両眼角膜混濁をきたし,小児期より皮膚感染症・膿皮症を頻回に繰り返した.当院受診時,略全身の角化性紅斑,掌蹠のびまん性の潮紅と過角化,足底の牡蠣殻状角質付着,手指爪甲部に難治性潰瘍を認めた.GJB2がコードするコネキシン26にp.D50N変異を認め,KID症候群と診断した.直接鏡検でいずれの皮疹からも真菌要素が検出され,テルビナフィンの内服を開始し,体幹・四肢の角化性紅斑は略治した.角質肥厚の強い顔面・足底の皮疹はイトラコナゾールパルス療法により著明に改善した.手指の難治性潰瘍は感染コントロール後,切除/人工真皮移植で治癒した.本症では皮膚の易感染性を伴い,細菌・真菌感染症を繰り返す.その適切なコントロールが,患者QOLの改善および潰瘍・慢性炎症による皮膚癌発生の予防に寄与するのではないかと考えた.
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