Japanese
English
症例報告
両下肢に結節性紅斑様皮疹が多発したSweet病の1例
A case of Sweet's disease with multiple erythema nodosum-like eruptions on the lower limbs
花岡 佑真
1
,
松井 佐起
1
,
福山 國太郎
1
Yuma HANAOKA
1
,
Saki MATSUI
1
,
Kunitaro FUKUYAMA
1
1関西労災病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kansai Rosai Hospital, Amagasaki, Japan
キーワード:
Sweet病
,
Behçet病
,
結節性紅斑
,
掌蹠膿疱症
,
毛包周囲炎
Keyword:
Sweet病
,
Behçet病
,
結節性紅斑
,
掌蹠膿疱症
,
毛包周囲炎
pp.755-759
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204547
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要約 58歳,女性.1週間以上持続する発熱と両下肢に多発する紅斑を主訴に受診した.掌蹠膿疱症の既往がある.左下眼瞼に大豆大の膿疱を伴う浮腫性紅斑や下口唇のアフタがあり,両下肢には境界不鮮明な母指頭大までの浸潤触れる暗紅色紅斑が多発し,一部毛孔一致性膿疱を伴っていた.大腿の浸潤性紅斑の病理組織像は好中球主体の毛包周囲炎と隔壁性脂肪織炎であった.臨床経過も踏まえSweet病と診断し,コルヒチン内服を開始したところ,速やかに解熱し紅斑も消退した.自験例は両下肢に結節性紅斑様皮疹が多発し,Behçet病様の皮膚症状を呈したSweet病であった.Sweet病とBehçet病は独立疾患であるが,好中球機能亢進という共通の病態があるため,共通の症状や検査所見を持つが,合併症や治療・経過は異なる.典型疹と結節性紅斑などが混在する場合,いずれかの疾患として一元的に捉えるか,あるいは合併と考えるべきか注意深く診断する必要がある.
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