Japanese
English
症例報告
右耳前部に生じた有茎性基底細胞癌の1例
A case of pedunculated basal cell carcinoma on the right preauricular region
加藤 めぐみ
1
,
赤星 美帆
1
,
渡邊 陽香
1
,
中田 侑宏
1
,
鈴木 大介
1
Megumi KATO
1
,
Miho AKAHOSHI
1
,
Haruka WATANABE
1
,
Yukihiro NAKATA
1
,
Daisuke SUZUKI
1
1公立昭和病院皮膚科
1Division of Dermatology, Showa General Hospital, Kodaira, Japan
キーワード:
基底細胞癌
,
有茎性
,
巨大
Keyword:
基底細胞癌
,
有茎性
,
巨大
pp.67-72
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206563
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 84歳,男性.初診5年前から右耳前部に腫瘍を自覚,増大傾向あり当院受診した.初診時には7×6×3cm大の広基有茎性で弾性硬に触れる常色〜紅色調を呈する腫瘤であり,表面平滑で潰瘍形成はみられなかった.画像検査で血流の豊富な腫瘤であったため,腫瘍基部から切除した.病理組織学的に腫瘍細胞は胞巣状・網状・索状に増殖しており,これらの細胞は免疫組織化学にてBer-EP4がびまん性に陽性,EMAは陰性であったことからnodular typeとadenoid typeが混在した基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)と診断した.有茎性BCCは比較的稀な臨床型であり,自験例でも視診の段階でBCCは考えておらず,病理組織学的所見から診断することができた.自験例が有茎性の巨大腫瘤という特異な臨床を呈した理由として,浅側頭動脈の前頭枝と連続する栄養血管が流入しており血流が豊富であったこと,圧迫・間擦などの外的刺激が関与したことを考えた.条件により,BCCが有茎性になりうることは念頭に置いておくべきである.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.