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文献紹介 悪性黒色腫に対するニボルマブとイピリムマブ併用療法の有効性
栗原 佑一
1
1慶應義塾大学
pp.858
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204571
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近年,悪性黒色腫の転移症例に対してニボルマブとイピリムマブの有効性が確認され,臨床の現場で広く用いられるようになってきている.ニボルマブは癌細胞とT細胞間における免疫チェックポイント機構であるPD-1蛋白質を阻害する抗体製剤であり,イピリムマブは抗腫瘍性に働く樹状細胞とT細胞間における免疫チェックポイント機構である抗CTLA-4抗体を阻害する抗体製剤である.これらの抗体製剤はNational Comprehensive Cancer Networkが出している2015年のガイドラインにおいても,切除不能な悪性黒色腫に対する第一選択として挙げられている.いずれの抗体製剤も単独で既存の化学療法と比較し有効な成績を示しているが,作用点が異なる両者を併用した場合の有効性を今回の臨床試験では検討している.
切除不能で未治療のstage Ⅲ,Ⅳの悪性黒色腫患者142名を対象として,ニボルマブ/イピリムマブ併用群とイピリムマブ単剤群に分けランダム化二重盲検試験を行った.評価項目は客観的奏効率と無進行生存期間,安全性であった.
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