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文献紹介 欧州人の典型的なブロンド髪がゲノム上の1塩基で制御されている1例
藤田 春美
1
1慶應義塾大学
pp.876
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204576
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ヒトにおいてわかりやすい多様性のある表現型の1つに毛髪色がある.近年,全ゲノム相関解析(genome-wide association studies:GWAS)にて色素制御に関する複数の候補領域が明らかにされたが,塩基変異の同定までには至っていなかった.
KITLG遺伝子は生物の発生および細胞分化に必須であり,ヒトのみならず,マウスや魚の着色遺伝形質の制御に関わることが知られ,毛包では色素細胞の遊走や増殖を促す.マウスのオルソログ遺伝子であるKitlの発現量が低い系統では体毛の色素欠損,マスト細胞および造血系の異常を起こす.さらにヒトではKITLGの上流にあるSNP(rs12821256)が欧州,特に北欧人において置換頻度が高く,ブロンド髪色形質の決定に有意に関連することが判明していた.
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