連載 Clinical Exercise・96
Q考えられる疾患は何か?
瀧田 祐子
1,2
1ジョイ皮ふ科クリニック
2山口大学医学部附属病院皮膚科
pp.623-624
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204514
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症例
患 者:18歳,男性,山口県在住
主 訴:左手掌の胡桃大不整形の淡褐色斑
家族歴・既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:初診の約1年前,修学旅行で沖縄に滞在しており,その際転倒して土壌に手をついた記憶がある.その後,時期は不明だが,左手掌にかゆみを欠く胡桃大の淡褐色斑が出現し,次第に拡大したため近医を受診した.イミダゾール系抗真菌剤を処方され外用し,皮疹はほぼ消退したが,3年後に再発し,拡大したため受診した.
現 症:左手掌に胡桃大,境界明瞭な不整形の淡褐色斑を認め,色調には濃淡がみられた.その表面は平滑であり,表面をメスで擦過すると細かい鱗屑を採取することができた.周囲に炎症はなく,手掌は多汗気味で湿り気を伴っていた(図1).
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