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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
5.皮膚科医のための臨床トピックス
脂腺母斑の遺伝子変異
Gene mutation associated with nevus sebaceous
多田 弥生
1
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
脂腺母斑
,
HRAS
,
KRAS
,
Schimmelpenning(シンメルペニング)症候群
Keyword:
脂腺母斑
,
HRAS
,
KRAS
,
Schimmelpenning(シンメルペニング)症候群
pp.151-153
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204431
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summary
脂腺母斑とは脂腺の異常増生に加えて,表皮,真皮,毛包,汗腺などの構成成分にも異常を伴う母斑で,数%の頻度で二次性腫瘍の合併をみる.一方,Schimmelpenning(シンメルペニング)症候群とは脂腺母斑に中枢神経症状を伴うなど,より重篤な症状を呈する症候群である.このたび,これらの原因遺伝子がHRAS,KRASであることが明らかになった.脂腺母斑65人の患者病変部では,62人でHRAS遺伝子に変異があり,3人でKRAS遺伝子に変異があった.さらに,2人のSchimmelpenning症候群患者でも同様なHRAS,KRAS変異があった.脂腺母斑病変部培養ケラチノサイトを用いての機能検討では,RAS変異により,機能的に細胞増殖活性を獲得している可能性が示唆された.今回の研究成果は,病態解明に加えて,脂腺母斑やSchimmelpenning症候群の治療につながることが期待される.
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