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増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015
4.皮膚疾患治療のポイント
手足症候群とフットケア装具
Hand-foot syndrome and foot orthoses
松村 由美
1
Yumi MATSUMURA
1
1京都大学医学部附属病院医療安全管理室
1Patient Safety Unit, Kyoto University Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
抗がん薬
,
手足症候群
,
フットケア装具
,
荷重
,
足底圧
Keyword:
抗がん薬
,
手足症候群
,
フットケア装具
,
荷重
,
足底圧
pp.100-103
発行日 2015年4月10日
Published Date 2015/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204413
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summary
手足症候群は薬剤による有害事象の一種である.手掌・足底の皮膚知覚過敏から始まるため,手掌・足底発赤知覚不全症候群とも呼ばれる.フッ化ピリミジン系の抗がん薬や分子標的薬であるマルチキナーゼ阻害薬の治療経過中に高率に発症する.症状は機械的刺激が加わりやすい場所や荷重部位に出現するため,歩行の際に足に加わる外力を可能な限り最小化し,自覚症状や皮膚症状を悪化させない・緩和させることは理に適っている.靴型装具の作製は選択肢の1つになりうる.適切な足底装具の使用により荷重部に集中する足底圧を分散することで症状は緩和される.褥瘡の予防のために体圧分散寝具が開発され効果を発揮しているが,その考えを手足症候群の足病変の予防や治療に応用したものである.フットケア装具を用いた予防や治療を行うことにより,疼痛が緩和され必要な治療が継続できれば,がんの予後そのものの改善にもつながると期待できる.
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