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文献紹介 日本人においてアトピー性皮膚炎に関連する8つのゲノム領域の発見
向井 美穂
1
1慶應義塾大学
pp.286
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204370
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アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は慢性の皮膚炎症性疾患であり,遺伝因子と環境因子の両方が関係すると考えられている.これまでに多くの解析が進められた免疫関連遺伝子に加え,2006年にAD患者でフィラグリン機能喪失変異が有意に多いことが報告され,皮膚バリア機能異常がAD発症に大きく関与していることも明らかになってきた.これまでに多くの治療法が検討・確立されてきたが,既存の治療では難治例も存在し,ADの病態解明とそれに基づく治療法や予防法確立が望まれている.
著者らはゲノムワイド関連解析(GWAS:genome-wide association study)を用いてAD関連遺伝子領域を調べた.GWASでの解析対象となる一塩基多型(single nucleotide polymorphisms:SNPs)はある一塩基が他の塩基に置き換わっている変異であり,ヒトでは1,000bpに1か所の頻度で存在している.GWASではこのゲノム全体に散在するSNPsのうち,患者と健常者間で頻度差のあるSNPsを同定することにより病気に関わる遺伝子候補を同定する手法である.
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