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文献紹介 アトピー性皮膚炎患者の黄色ブドウ球菌コロナイゼーションに対する治療は,疾患重症度を軽減する
川崎 洋
1
1慶應義塾大学
pp.152
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102821
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黄色ブドウ球菌感染はアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)増悪の重要因子であるが,その治療に関しては確立されたものがなく,悩みの種である.本研究では,sodium hypochlorite(bleach)bathとムピロシンの鼻腔内塗布による複合治療を,細菌感染を伴った小児のAD患者に行い,その効果を検証した.
1施設での二重盲検(被験者は匂いによりBleachを識別できる可能性あり)プラセボ対照無作為化臨床試験を行った.生後6か月~17歳の中等症~重症AD患者で皮膚に感染徴候のある患者31人全例に対し,セファレキシンの試験前投与を2週間行い,その後15人の治療群と16人のプラセボ群に振り分けた.治療群には0.005%のbleach bathへの入浴(週2回)とムピロシン軟膏の鼻腔内塗布(月に3クール)の治療を行い,プラセボ群にはwater bathへの入浴とペトロラタム軟膏の鼻腔内塗布を3か月間行った.観察期間中,有害事象による登録者の離脱はなかった.
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