Japanese
English
症例報告
下大静脈閉塞症を背景として発症した下肢蜂窩織炎の1例
A case of leg cellulitis with the background of inferior vena caval obstruction
中里 信一
1
,
村松 憲
1
,
北村 真也
1
,
佐藤 英嗣
1
Shinichi NAKAZATO
1
,
Ken MURAMATSU
1
,
Shinya KITAMURA
1
,
Hidetsugu SATO
1
1帯広厚生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Obihiro-Kosei General Hospital, Obihiro, Japan
キーワード:
下大静脈閉塞症
,
蜂窩織炎
,
丹毒
,
下肢静脈不全症
Keyword:
下大静脈閉塞症
,
蜂窩織炎
,
丹毒
,
下肢静脈不全症
pp.235-238
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204355
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要約 86歳,男性.既往歴に左下肢深部静脈血栓症と左下肢蜂窩織炎があり,ワルファリンを内服中である.初診の数時間前から右下肢の発赤,腫脹,疼痛を自覚した.右下肢の広い範囲に境界不明瞭な発赤を呈し,圧痛と熱感を伴っていた.両下肢の腫脹があり,特に右下肢で顕著であった.血液検査上,白血球増多とCRP高値があり,造影CTでは下大静脈の閉塞を呈していた.抗生剤投与などの入院加療を行い,軽快後は弾性ストッキングを着用して再発予防に努めた.下大静脈閉塞症は下肢静脈不全症の特殊例とされ,下肢静脈不全症は下肢蜂窩織炎の危険因子である.下肢蜂窩織炎では自験例のように体幹の静脈の精査が必要となる場合もある.下大静脈閉塞症を含む下肢静脈不全症に合併した下肢蜂窩織炎の再発予防のためには,下肢静脈不全症の治療が必要と考えた.
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