Japanese
English
症例報告
エトレチネート内服にて軽快傾向を認めた多発性ボーエン病の1例
A case of multiple Bowen's disease with partial response to etretinate
布袋 祐子
1,3
,
木花 いづみ
1
,
寺木 祐一
2
Yuko FUTEI
1,3
,
Izumi KONOHANA
1
,
Yuichi TERAKI
2
1平塚市民病院皮膚科
2杏林大学医学部皮膚科学教室
3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Hiratsuka City Hospital
2Department of Dermatology, University of Kyorin
キーワード:
多発性ボーエン病
,
エトレチネート
Keyword:
多発性ボーエン病
,
エトレチネート
pp.951-953
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902345
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71歳,男性.初診の約10年前より右大腿に紅斑を認め,四肢,躯幹にも多発してきた.初診時,躯幹から四肢にかけて約100個に及ぶ大小の辺縁明瞭な角化性の紅斑あるいは褐色局面が多発,病理組織学的にはいずれの皮疹もボーエン病に典型的であった.入院後エトレチネート40mg/日の内服を開始,約1か月で皮疹の平坦化がみられた.一部の皮疹については内服開始4か月後には完全に消退,組織学的にもボーエン病を示唆する所見は認められなかった.エトレチネート中止後も,病変の新生は認められず,残存した皮疹に対し切除および液体窒素療法を施行した.エトレチネートの抗腫瘍作用につき若干の考察を加えここに報告した.
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