特集 臨床皮膚科—最近のトピックス
Clinical Dermatology 1989
はじめに
pp.507-508
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204109
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かつて,その本態や病態に迫る手段に欠けるがために,あいまいなままに扱いかねてきたいくつかの皮膚疾患が,最近,生物科学の分野での目の覚めるような進歩とともに,急にその本態がはっきり分かりはじめてきた.また一方,新しい疾患概念として打ち立てられ,多くの人たちに受け入れられはじめた,いわば話題の疾患も私たちの皮膚科の領域に次々と現れてきている.もちろん,それは個々の疾患だけには限らない.疾患の病態をはっきりと把握するのに重要な役割を演ずる研究手段の面においても言えることで,最近,数多く,しかも多方面にわたり私たちの臨床の場での新たな強力な武器となるべき方法が登場しはじめた.それらは多分,多くの臨床医にとって,まだ原理的な面からもなじみの薄いものであろう.
さらにまた,解明されてきた疾患の発症機序に即した考えに基づき,あるいは偶然の機会に観察眼の鋭い臨床医の眼に止まったことが幸いし,これまでは予想もされなかった皮膚疾患の新しい治療法が登場しつつあり,それらも私たちの重要な武器になろうとしている.
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