Japanese
English
症例報告
乳児線維性過誤腫
Fibrous Hamartoma of Infancy
勝俣 道夫
1,2
,
佐藤 貴浩
1,2
,
大滝 倫子
1,2
,
梅田 整
3
,
野崎 清恵
4
Michio KATSUMATA
1,2
,
Takahiro SATO
1,2
,
Noriko OHTAKI
1,2
,
Tadashi UMEDA
3
,
Kiyoe NOZAKI
4
1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
2伊豆逓信病院皮膚科
3中野総合病院形成外科
4関東逓信病院ウイルス研究部
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Dermatology, Izu Teishin Hospital
3Department of Plastic Surgery, Nakano Sogo Hospital
4Department of Virology, Kanto Teishin Hospital
キーワード:
類臓器構造
,
筋線維芽細胞様細胞
,
未分化間葉系細胞
,
血管内皮細胞様細胞
,
末梢神経線維束
Keyword:
類臓器構造
,
筋線維芽細胞様細胞
,
未分化間葉系細胞
,
血管内皮細胞様細胞
,
末梢神経線維束
pp.463-468
発行日 1989年5月1日
Published Date 1989/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204101
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1歳9カ月,男児の右肩甲下部に生じた60×8mmの表面やや茶褐色調の皮下腫瘤につき報告した.組織像は皮下脂肪織内に不規則に交錯する成熟した膠原線維束と線維芽細胞様細胞よりなる索状の線維性組織,線維芽細胞様細胞と未分化間葉系細胞の集塊,成熟脂肪組織の3成分からなる病変であることより乳児線維性過誤腫と診断した.本症の概要につき言及し,本邦既報告28例につきまとめ,男児が74%と優位で,発症部位は腋窩,背部,大腿,上腕発生例が多いとの結果を得た.なお自験例の特徴としてS—100蛋白陽性を示す末梢神経線維を病変中の随所に認め,神経線維束も病変の1成分と考えられた.電顕的検索では,線維性組織には主に線維芽細胞様細胞を認め,線維芽細胞様細胞と未分化間葉系細胞の集塊の部分では線維芽細胞および筋線維芽細胞に類似した細胞,未分化間葉系細胞,血管内皮細胞様細胞が混在し,本症の過誤腫的性格を示すものと考えられた.
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