Japanese
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症例報告
巨大単発型汗孔角化症—蛍光顕微測光法による表皮細胞核DNA量の検討
Solitary Gigantic Porokeratosis:A Microfluorometric Study of Epidermal Cell Nuclear DNA Content
渡辺 亮治
1
,
大塚 藤男
1
,
下妻 道郎
1
,
土田 哲也
1
,
石橋 康正
1
Ryoji WATANABE
1
,
Fujio OTSUKA
1
,
Michirou SHIMOZUMA
1
,
Tetsuya TSUCHIDA
1
,
Yasumasa ISHIBASHI
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
巨大単発型汗孔角化症
,
蛍光顕微測光法
,
表皮細胞核DNA量分布パターン
,
異数倍体性
Keyword:
巨大単発型汗孔角化症
,
蛍光顕微測光法
,
表皮細胞核DNA量分布パターン
,
異数倍体性
pp.295-298
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204070
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66歳女性の左肘関節に生じた130×95mmの境界明瞭,落屑を伴った紅斑性局面を呈した汗孔角化症(PK)につき報告した.組織像ではcornoid lamellaを認める他に,局面内の表皮細胞にやや大きな核や空胞状の細胞がみられた.近年,PKに悪性腫瘍が続発する報告が多数みられるので,本症表皮の細胞学的性格を明らかにする目的で蛍光顕微測光法を用いて細胞核DNA量を測定した.対照正常表皮細胞は殆どが2倍体細胞で,G2/M期に相当する細胞は極く少数であった.一方,PK皮疹表皮にはSおよびG2/M期に相当するDNA量を有する細胞が比較的多数存在した.これら所見はPK表皮に増殖能の高い,あるいは異数倍体性のクローンが存在することを示唆し,巨大単発型PKは悪性化する頻度が高いといわれることとも関連すると推察された.
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