Japanese
English
症例報告
Mycobacterium avium complexによる皮膚非定型抗酸菌症の1例
A case of cutaneous atypical mycobacteriosis caused by Mycobacterium auium complex
青木 明恵
1
,
伯野 めぐみ
1
,
海老原 全
1
,
繁益 弘志
1
,
仲 弥
1
,
原田 敬之
1
Akie AOKI
1
,
Megumi HAKUNO
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Hiroshi HANYAKU
1
,
Wataru NAKA
1
,
Takashi HARADA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
Mycobacterium avium complex
,
皮膚非定型抗酸菌症
,
皮下硬結
Keyword:
Mycobacterium avium complex
,
皮膚非定型抗酸菌症
,
皮下硬結
pp.481-484
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901225
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四肢・躯幹に皮下硬結が多発したMycobacteritfm avium complexによる非定型抗酸菌症の6歳男児例を報告した.経過中,腹部,両大腿に自覚症状を欠く,表面に軽度紅斑を伴う大豆大から豌豆大の球状の皮下硬結を8個認めた.病理組織学的には,真皮に中心に乾酪壊死を伴う肉芽腫形成を認め,自潰した膿の培養にて非定型抗酸菌が検出され,種々の細菌学的検索からMycobacterium avium complexと同定された.2個の結節は自潰し,残る5個は手術的に摘出した.本症の本邦報告例は,1964年から1992年7月までに3例みられるのみであり,そのうち,1例はステロイド投与中の患者であった.自験例は免疫不全を認めずステロイド投与もされていない小児の多発例である.感染経路としては,経皮的に菌が侵入したというよりは,経気道的に肺に感染し,血行性に転移して皮下に肉芽腫をつくり,肺病巣は自然治癒したと推測された.
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