Japanese
English
原著
顔面白癬50例の臨床的検討
Clinical Study in Fifty Cases of Tinea Faciei
出光 俊郎
1
,
花田 順子
2
,
平本 力
1
,
小堀 幸子
1
,
青木 重信
1
,
北島 康雄
1
Toshio DEMITSU
1
,
Junko HANADA
2
,
Tsutomu HIRAMOTO
1
,
Sachiko KOBORI
1
,
Shigenobu AOKI
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
1自治医科大学皮膚科教室
2公立佐沼総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
2Division of Dermatology, Sanuma General Hospital
pp.279-285
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203861
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顔面白癬50例を臨床的に検討し,白癬の非定型化を来す原因を中心に考察を試みた.臨床病型の内訳は異型白癬24例,斑状小水疱型16例,頑癬型10例であった.これらの症例では必ずしも異型白癬にステロイドの外用率が高いとは限らなかった.原因菌種はT. rubrumが33例と最も多く,次いでT. mentagrophytes 4例,M. canis 4例,M. gypseum 4例でT. verrucosumは1例であった.頑癬型からはすべてT. rubrumが分離されたのに対して,異型白癬や斑状小水疱型からは多彩な菌種が分離され,臨床病型と原因菌種との関連が示唆された.また,具体的症例の一つとして夫婦間で病型の異なる顔面白癬例を呈示した.これらの事実から顔面白癬の異型化の原因には,菌側の要因に加えてステロイドの誤用のみならず,その他の物理的,化学的刺激,あるいは宿主側の要因などが複雑に絡み合っていることが推察された.
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