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Volume 65, Issue 2 （February 2023）

皮膚科の臨床 65巻2号（2023年2月発行）

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特集真菌症

Nannizzia gypseaによる体部白癬の成人2例 Two adult cases of tinea corporis due to Nannizzia gypsea 加倉井真樹 ^1,2 , 梅本尚可 ² , 大田美智 ³ , 原田和俊 ³ , 出光俊郎 ^2,4 Maki KAKURAI ^1,2 , Naoka UMEMOTO ² , Michi OHTA ³ , Kazutoshi HARADA ³ , Toshio DEMITSU ^2,4 ¹加倉井皮膚科クリニック，下妻市 ²自治医科大学附属さいたま医療センター，皮膚科（主任：梅本尚可科長） ³東京医科大学，皮膚科学教室（主任：原田和俊教授） ⁴上尾中央総合病院，皮膚科，科長キーワード：体部白癬 , 皮膚真菌症 , 好土壌性菌 , Nannizzia gypsea , Microsporum gypseum Keyword: 体部白癬 , 皮膚真菌症 , 好土壌性菌 , Nannizzia gypsea , Microsporum gypseum pp.159-162

発行日 2023年2月1日 Published Date 2023/2/1

DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003757

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症例1：69歳，男性。症例2：71歳，女性。体幹に鱗屑を伴う紅斑を認めた。2例ともKOH鏡検で菌糸陽性であった。真菌培養で放射状に増殖する表面粉末状の淡褐色の菌が分離された。純培養した菌株よりDNAを抽出し，PCR法でribosomal RNA遺伝子のinternal transcribed spacer領域を増幅した。この塩基配列をGenBankに登録されているinternal transcribed spacer領域のシークエンスと比較したところ，Nannizzia gypseaによるものと100％一致した。2例ともルリコナゾールクリームを外用し，1カ月で治癒した。体部白癬の原因菌としてNannizzia gypseaによる体部白癬はまれであるが，農村地域ではときにみられるので，激しい炎症症状を伴う紅斑をみた場合はNannizzia gypseaによる白癬を考え治療にあたるべきである。