Japanese
English
原著
Microsporum gypseumによる白癬の5例
Five Cases of Microsporum gypseum Infections
出光 俊郎
1
Toshio DEMITSU
1
1公立佐沼病院皮膚科
1Division of Dermatology, Sanuma Hospital
pp.273-277
発行日 1986年3月1日
Published Date 1986/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203427
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
最近3年間において当科で経験したMicrosporum gypseumによる生毛部浅在性白癬の5例について報告する.1)男女比は1:4で女性に多く,5例中3例は12歳以下の小児であった.このなかには生後17日の男児例も含まれており本邦最年少例と思われる.2)発生部位はいずれも顔面ないし膝部であり,うち1例は膝の外傷に続発して発症した.3)臨床病型では4例が斑状小水疱性白癬であり,他の1例はいわゆる異型白癬の像を呈した.4)5例中4例はペットないし家畜を飼育しており動物との関連が示唆された.本菌による白癬では従来より.感染経路として土壌からの直接感染あるいは動物からの感染が問題となっているが,特に農村地域においては家畜との接触に加えて菌量の豊富な土壌と直接接触する生活環境が発症に大きく関与しているものと考えられる.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.