Japanese
English
原著
栄養障害性先天性表皮水疱症の1例
A Case of Dystrophic Epidermolysis Bullosa
平本 力
1
,
狩野 俊幸
1
,
小堀 幸子
1
,
片山 洋
1
,
北島 康雄
1
,
矢尾板 英夫
1
Tsutomu HIRAMOTO
1
,
Toshiyuki KANO
1
,
Sachiko KOBORI
1
,
Hiroshi KATAYAMA
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
,
Hideo YAOITA
1
1自治医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
pp.49-53
発行日 1986年1月1日
Published Date 1986/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203385
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先天性表皮水疱症の1例とその治療を報告した.症例は20歳,男性で,出生以来水疱の出現を繰り返している.臨床症状(瘢痕形成,稗粒腫形成,爪喪失,手変形など)および光顕的電顕的組織所見(dermolysis,anchoring fibril不明瞭化など)から,Hallopeau-Siemens型栄養障害性先天性表皮水疱症(generalized type,mutilans型)と診断した.本症例を,ジフェニルヒダントインおよびアスコルビン酸の投与で治療したが,前者は薬疹のため,後者は無効のため中止した.次いで,プロピオン酸クロベタゾール含有軟膏(デルモベート®軟膏)で治療し奏効を得た.対照とした白色ワセリン,ジプロピオン酸ベタメサゾン含有軟膏(リンデロンDP®軟膏),酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有軟膏(パンデル®軟膏)は臨床的に有効とはいえなかった.
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