Japanese
English
原著
イブプロフェンが原因と考えられたToxic Epidermal Necrolysis(TEN)の1例
A Case of Toxic Epidermal Necrolysis Probably Due to Ibuprofen
谷口 雄一
1
,
小堀 幸子
1
,
青木 重信
1
,
平本 力
1
,
井上 俊一郎
1
,
矢尾板 英夫
1
Yuichi TANIGUCHI
1
,
Sachiko KOBORI
1
,
Shigenobu AOKI
1
,
Tsutomu HIRAMOTO
1
,
Shunichiro INOUE
1
,
Hideo YAOITA
1
1自治医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
pp.69-73
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203822
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53歳,女.イブプロフェン(ブルフェン)を2週間以上内服中にベンザエースを服用後,口腔内の発赤と水疱が出現した.さらに,リンコシンとスルピリンの筋注も追加投与されたのち,全身の皮膚の紅斑と水疱に気付いた.臨床および組織所見からtoxic epidermal necrolysis(TEN)が診断された.TEN型薬疹は最重症型の薬疹であり,致命率も非常に高いが,本症例はステロイド大量投与と抗生物質,高カロリー輸液によって幸いにも救命することができた.イブプロフェン(ブルフェン),ベンザエース,スルピリン,リンコシンのパッチテストを試行したところすべて陰性であった.リンパ球幼若化試験ではイブプロブェン(ブルフェン),ベンザエースがcontrolより2倍程度の値を示したが,陽性と決定し難かった.なお本邦におけるTENの報告例と自験例について若干の考察を加えた.
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