Japanese
English
原著
Erythema Dyschromicum Perstansの1例
A Case of Erythema Dyschromicum Perstans
小松 満知子
1
,
宮川 幸子
1
,
白井 利彦
1
Machiko KOMATSU
1
,
Sachiko MIYAGAWA
1
,
Toshihiko SHIRAI
1
1奈良県立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nara Medical University
pp.273-277
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203860
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14歳,女性,中学生.約2カ月前より体幹に指頭大までの紅斑と灰褐色の色素斑が出現し,次第に増数.自覚症状は殆どない.病理組織にてlichenoid tissue reaction,incontinentia pigmenti histologicaを示し,erythema dyschromicum perstansと診断.電顕にてコロイド小体,一部で基底板の欠如を認め,螢光抗体法直接法にてコロイド小体に一致してIgGの沈着を認めた.免疫組織化学にて表皮細胞表面および殆どの真皮浸潤細胞にIa抗原を認め,表皮でOKT 6陽性樹枝状細胞が増加していた.真皮浸潤細胞はTリンパ球を主としていた.以上の所見はlichen planusにおける所見に酷似し,本症がlichen planusのvariantである可能性を示唆するとともに,本症の病理発生に細胞性免疫が重要な働きを演じているものと考えた.
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