Japanese
English
原著
特発性陰嚢石灰沈着症の2例
Two Cases of Idiopathic Calcinosis of the Scrotum
井上 俊一郎
1
,
青木 重信
1
,
鈴木 正之
1
,
加藤 英行
1
,
北島 康雄
1
,
矢尾板 英夫
1
Shunichiro INOUE
1
,
Shigenobu AOKI
1
,
Masayuki SUZUKI
1
,
Hideyuki KATO
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
,
Hideo YAOITA
1
1自治医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Jichi Medical School
pp.161-164
発行日 1985年2月1日
Published Date 1985/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203204
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要約 37歳,23歳の男性にみられた特発性陰嚢石灰沈着症の2例を報告した.発症はそれぞれ4年前,5年前で,陰嚢の小結節がしだいに増大かつ増加した.それぞれ陰嚢湿疹,瘙痒感を伴っている,2例とも血中カルシウム,リンは正常範囲内.真皮内に大小の石灰沈着巣が多数認められ,その中には組織化学的にヘパリチン硫酸の存在が考えられた.また,その周囲には嚢腫壁は認められず,脱顆粒した多数のマスト細胞と異物巨細胞を伴う異物反応とが認められた.異物反応は初期と思われる顆粒状ないし結晶状の石灰沈着部位に多く,完成された均質な塊状物周囲にはほとんど認められなかった.すなわち,何らかの修飾によって沈着物の異物性が失われるものと推察された.
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