Japanese
English
原著
Nodular(Pseudosarcomatous)Fasciitisの2例
Two Cases of Nodular (Pseudosarcomatous) Fasciitis
高橋 邦明
1
,
櫻根 弘忠
1
,
濱田 稔夫
1
Kuniaki TAKAHASHI
1
,
Hirotada SAKURANE
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
pp.333-337
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202822
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Nodular(pseudosarcomatous)fasciitisの2例を報告した.症例1:44歳,男性.初診の6日前に左大腿伸側に弾性硬,エンドウ大,圧痛性の皮下結節があるのに気付く.症例2:45歳,男性.初診の約1カ月前に右腹部に弾性硬,小指頭大,無症候性の皮下結節があるのに気付く.組織像は2例ともほぼ同様で,皮下脂肪組織深部に線維芽細胞が浸潤性に増殖し,一部には毛細血管増生,赤血球の管外溢出,リンパ球・組織球性の細胞浸潤がみられる.間質の一部はPAS陽性,アルシアンブルー(pH 2.5)陽性を示し,酸性ムコ多糖類の沈着と考えられた.さらに症例1では炎症性細胞浸潤内に多核巨細胞を認めた.以上より,2例ともほぼ典型的なnodular(pseudosarcomatous)fasciitisと診断した.いずれも全摘出後,現在まで再発はみられない.臨床医にとって,特にfibrosarcomaなどの肉腫との鑑別において本症の概念を熟知しておくことは重要なことと思われる.
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