Japanese
English
原著
Nodular Fasciitis—A型肝炎およびAngioimmunoblastic Lymphadenopathyを伴った1例
A Case of Nodular Fasciitis with Viral Hepatitis A and Angioimmunoblastic Lymphadenopathy
石倉 多美子
1
,
網谷 茂樹
2
,
松本 俊彦
3
Tamiko ISHIKURA
1
,
Shigeki AMITANI
2
,
Toshihiko MATSUMOTO
3
1公立石川中央病院皮膚科
2公立石川中央病院内科
3公立石川中央病院外科
1Division of Dermatology, Ishikawa Public Hospital
2Division of Internal Medicine, Ishikawa Public Hospital
3Division of Surgery, Ishikawa, Public Hospital
pp.771-776
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203315
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66歳,男.A型肝炎とangioimmunoblastic lymphadenopathy (AIBL)を合併したnodular fasciitis (NF)の1例を報告した.39℃前後の発熱が数日続いた後に,右大腿に蜂窩織炎様の発赤と腫脹を生じ,7日後に37℃に解熱すると共に発赤・腫脹は減少し,そこの皮下にしこりが残った.しこりの組織像では,皮下脂肪組織内に膠原線維と異型性の強い線維芽細胞の増殖からなる細胞集団があり,一部に毛細血管増生と出血像がみられた.第25病日頃から右の顎下部やリンパ節腫脹を生じ,それらの組織像はAIBLに一致するものであった.臨床検査成績の異常としては白血球増加,肝機能検査値の異常,IgG, IgAの増加,赤沈亢進,CRP6(+)などがみられた.組織学的にNFとAIBLは異なるが,両者ともpseudomalignancyと考えられており,前者は炎症後の,後者は抗生剤投与後の強い組織反応によるものと考えられ,興味深かった.
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