Japanese
English
原著
Palisading Granulomaの組織像を呈したマンソン裂頭条虫症
Sparganosis Mansoni with Histopathological Features of Palisading Granuloma
向井 秀樹
1
,
刀祢 毅
1
,
岩崎 雅
1
,
伊藤 洋一
2
,
吉原 正明
3
Hideki MUKAI
1
,
Takeshi TONE
1
,
Masa IWASAKI
1
,
Youichi ITO
2
,
Masaaki YOSHIHARA
3
1北里大学医学部皮膚科教室
2北里大学医学部寄生虫学教室
3吉原医院
1Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
2Department of Parasitology, Kitasato University School of Medicine
3Yoshihara Clinic
pp.601-605
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203715
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50歳,主婦の左前腕内側部に生じたマンソン裂頭条虫症を報告した.一般的に,本症は臨床的に他の疾患を疑い,生検により虫体を検出し診断されることが多い.今回,我々は臨床的に種々の良性腫瘍を考え,生検にてpalisading granulomaの組織像を呈し,血液および尿検査より糖尿病を証明したことから,皮下型の環状肉芽腫を考えた.しかし,同組織内に多数の好酸球がみられたため,寄生虫症を疑い各種皮内および血清反応を施行.その結果,マンソン裂頭条虫症と診断した.生検6カ月後に,再発した皮下結節より虫体を証明した.本症の組織像は,好酸球を伴う非特異的肉芽腫とされているが,自験例の如きpalisading granulomaを呈することも稀にあり,その際には寄生虫症も念頭におくべきと考えた.さらに,本症の診断に皮内および血清反応が有効であることを強調したい.
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