Japanese
English
原著
伝染性単核症の1例
A Case of Infectious Mononucleosis
栃原 啓子
1
,
山口 文雄
1
,
漆畑 修
1
,
柱 宗孝
2
Keiko TOCHIHARA
1
,
Fumio YAMAGUCHI
1
,
Osamu URUSHIBATA
1
,
Munetaka HASHIRA
2
1東邦大学医学部大橋病院皮膚科
2東邦大学医学部大橋病院第4内科
1Department of Dermatology, Toho University School of Medicine, Ohashi Hospital
2Fourth Department of Internal Medicine, Toho University School of Medicine, Ohashi Hospital
pp.361-364
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203649
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風疹様の発疹を呈した伝染性単核症の1例を報告した.症例は19歳,女.昭和60年5月3日より発熱,咽頭痛,頸部リンパ節腫脹を生じ,5月4日からパセトシン(AMPC),ボルタレン,エンピナースを内服するも症状改善せず.5月11日,当院耳鼻科受診.血清トランスアミナーゼ高値にて入院となる.5月15日,白血球25,100,リンパ球53%,異型リンパ球32%,EBウイルス抗EA-DR IgG上昇.5月14日,手背に発疹出現し,5月18日には手掌,足底を除き全身に瘙痒を伴う風疹様の発疹で,粟粒大から半米粒大の紅斑および紅色丘疹が多発した.我国の伝染性単核症研究班の報告では,発疹は51.3%と高頻度にみられる.発疹の形態についてはいろいろな報告があるが,我国で報告された発疹を伴う伝染性単核症のうちEvansの診断基準を満たす24例では,その58.3%が風疹様の発疹であり,本例も風疹様の発疹を呈しており,発疹を伴う伝染性単核症では風疹様の発疹の出現頻度が高いと思われる.
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