今月の主題 リンパ系疾患へのアプローチ
リンパ系疾患の臨床
伝染性単核症とヘテロファイル抗体陰性単核症
新居 美都子
1
,
中村 正夫
2
Mitsuko Arai
1
,
Masao Nakamura
2
1国立病院医療センター・小児科
2聖マリアンナ医科大学・臨床検査医学
pp.1746-1749
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219246
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Epstein-Barr virus(EBV)が伝染性単核症(IM)の病原と推定されてから十数年を経過した現在,IMは臨床,血清学的ならびにウイルス学的検索から,診断はさほど困難なものではなくなった.すなわち,発熱,リンパ節腫脹,扁桃炎,脾腫などの主徴に加え,末梢血リンパ球の増加(異型リンパ球の出現),ヘテロファイル(異好)抗体陽性,肝機能障害をみ,各種EBV抗体の有意の消長があれば確実といえる1-5).とくにヘテロファイル抗体は,現在のようにEBV各種抗体が知られる以前から,IMの重要な診断根拠とされていた.現今でもポール・バンネル抗体はEBV特異IgM抗体と関係があるともいわれ,診断的価値は依然高い.
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