特集 ウイルス感染症
II.ウイルス感染症
伝染性単核症(infectious mononucleosis)の臨床像
田端 敏秀
1
,
國本 優
1
1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科教室
pp.891-895
発行日 1988年10月20日
Published Date 1988/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200239
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伝染性単核症は全身疾患であるが,われわれ耳鼻咽喉科医にとっては頭頸部領域に診断上重要な所見を多くもつ疾患の一つである。しかし従来は本疾患は実際臨床の場では誤まって,急性扁桃炎や頸部リンパ節炎とされて見過ごされがちであった。それゆえ発症病因を十分理解したうえで,その診断と治療法に関して正確な知識をもち,的確に対応することが求められる。以下,伝染性単核症の疫学,臨床症状,臨床検査,とくにEBV抗体価について詳細に述べようと思う。本稿が本疾患に対して読者の方々が更に理解を深められる一契機となり,ひいては日常診療の一助となることになれば幸いである。
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