カラーグラフ リンパ節疾患の臨床病理
伝染性単核症
新井 栄一
1
,
片山 勲
1
1埼玉医科大学・第1病理
pp.1757-1760
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220582
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伝染性単核症(infectious mononucleosis,以下IMと略す)は,リンパ節腫脹をきたす疾患のうちの重要なものの1つであり,自然治癒の予測される良性疾患である.診断のための生検は不必要(むしろ禁忌)であるが,腫大したリンパ節を前にして,この疾患の可能性が鑑別疾患の中に盛り込まれていなかったために生検となり,病理的検査の後,はじめて診断されることも稀でない.リンパ節腫脹をみたとき,悪性リンパ腫を疑う前にIMをはじめとする一連のウイルス性リンパ節疾患の可能性を考えることの重要性を強調する意味で,今回取り上げた.
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