Japanese
English
原著
ピペラシリンおよびセフォタキシム薬疹患者の皮膚反応と間接血球凝集反応における薬剤間の交叉反応性
Cross-reactivity on Antibiotics in the Skin Testing and Passive Hemagglutination of a Patient with Piperacillin and Cefotaxime-induced Eruptions
鈴木 朝美
1
,
池澤 善郎
1
Asami SUZUKI
1
,
Zenro IKEZAWA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University Schocl of Medicine
pp.665-671
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203495
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子宮頸部癌切除患者において術後合併症のため投与されたピペラシリン(PIPC)およびセフォタキシム(CTX)による発疹症型薬疹の1例を報告した.原因薬剤は皮内試験による遅延型過敏反応(DTH)ならびにCTXと交叉反応するセファゾリン(CEZ)の投与により同様の薬疹が誘発されていることによって同定された.関係薬剤の皮内試験を行い動物実験における交叉反応の成績と比較したところ,セファロスポリン系薬剤間の交叉反応性は実験動物とほぼ同じ成績であったが,ペニシリン系薬剤間の交叉反応性は動物実験と異なる成績であった.また血中の抗ハプテン抗体価とその交叉反応性を間接血球凝集反応とそのハプテン阻止試験によって測定した.このような薬剤に対するDTHと抗ハプテン抗体の交叉反応性の検討に基づき,本症例の薬疹の発症機構においては血中抗休よりむしろT細胞性免疫によると思われるDTHがより重要な役割を果たしていることが推察された.
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