増刊号 免疫検査実践マニュアル
総論
Ⅱ.免疫学的測定法
2.凝集反応(1)赤血球凝集反応,受身(間接)凝集反応
内川 誠
1
1日本赤十字社中央血液センター
pp.38-41
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901874
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赤血球,細菌など光学顕微鏡で認めうる程度の大きさを持つ粒子状の抗原を,対応する抗体と反応させると,粒子は抗体によって橋渡しされるため,次から次へと結びついて凝集塊となる.これを凝集反応と呼ぶ.蛋白質などの可溶性の抗原に抗体を加えると抗原が抗体を仲立ちとして,肉眼でも観察できるようになる沈降反応とほぼ同じ機序である.可溶性の抗原を赤血球やポリスチレンラテックス(ラテックス)などの粒子状の物質(担体)に吸着させ,対応する抗体と反応させると凝集反応が起こる.この反応を受身凝集反応(passive agglutination;PA),特に赤血球を用いた場合は受身赤血球凝集反応(passive heamagglutination;PHA)と呼ぶことがある.凝集反応は手数が簡単であり,沈降反応よりも感度が10〜100倍高いことなどから,日常の臨床検査に広く用いられている.
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