入門講座 血清
間接凝集反応
松橋 直
1
1東大医学部血清学
pp.678
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916206
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蛋白,多糖類,脂質などを抗原とする抗原抗体反応の中には,沈降反応や凝集反応をおこしても感度が弱かったり,また沈降反応や凝集反応の形式のものが見られないものがある。しかし,この反応系で,抗原を赤血球,あるいはそれと同程度の粒子に吸着させて抗体と反応させると明瞭に凝集反応の形式で,しかも高感度をもって観察することができるものがある。たとえば,結核症患者の血清とツベルクリン抗原との間では沈降反応はほとんど起こらないが,ツベルクリンを赤血球に吸着させ患者血清と反応させると凝集がおこる(Middlebrook-Dubos反応)。このように,抗原性をもつ物質を細菌ないし赤血球程度の大きさの粒子に吸着させてから抗体と反応させ,凝集反応の形で観察する方法を間接凝集反応(Passive agglutination,赤血球をもちいるときは,Passivehemagglutination)とよんいる。
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