Japanese
English
原著
Alclofenacによる薬疹(粘膜皮膚眼症候群型)の1例
A Case of Muco-Cutaneous-Ocular Syndrome Induced by Alclofenac
篠田 英和
1
,
吉田 彦太郎
2
Hidekazu SHINODA
1
,
Hikotaro YOSHIDA
2
1国立嬉野病院皮膚科
2長崎大学医学部皮膚科教室
1Division of Dermatology, Ureshino National Hospital
2Department of Dermatology, Nagasaki, University Medical School
pp.1051-1054
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203152
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57歳,男性.エピナール,ブリセフ内服後に高熱,全身倦怠感,眼球充血,眼脂および口腔内,陰嚢,肛門の皮膚粘膜移行部に糜爛を認め,ほぼ全身にアズキ大より拇指頭大までの浮腫性紅斑をきたした.特に背部では融合傾向の強い紅斑が多発し,一部に健常皮膚を残すのみとなった.組織所見では,表皮の変性と多数の壊死に陥ったケラチノサイトを認め,真皮では上層の著明な浮腫と表皮下水疱,強いリンパ球の浸潤がみられた.エピナールの貼布試験は陽性であり,その部の生検所見では真皮内に組織球を伴った著明なリンパ球浸潤を認めた.さらに,ANAE染色を行なうと浸潤リンパ球はANAE活性陽性であり,T細胞であることが明らかとなった.
以上の結果より,エピナールによる薬疹(粘膜皮膚眼症候群型)と診断し,本病型の薬疹に遅延型アレルギー機序の関与があると考えた.
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