Japanese
English
原著
悪性腫瘍を合併したSweet病の2例
Two Cases of Sweet's Disease Associated with Malignant Tumor
篠田 英和
1
,
大石 信美
2
,
吉田 彦太郎
3
Hidekazu SHINODA
1
,
Nobuyoshi OOISHI
2
,
Hikotaro YOSHIDA
3
1国立嬉野病院皮膚科
2国立嬉野病院外科
3長崎大学医学部皮膚科教室
1Division of Dermatology, Ureshino National Hospital
2Division of Surgery, Ureshino National Hospital
3Department of Dermatology, Nagasaki University Medical School
pp.237-242
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202595
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悪性腫瘍を合併したSweet病の2例を報告し,若干の文献的考察を行った.症例1:61歳,女性.高熱と両手掌,アキレス腱上方の有痛性紅斑,著明な膝関節痛があり,同時に性器出血を認め子宮頸癌(carcinoma in situ)と診断された.症例2:72歳,男性.胃癌術後経過観察中,発熱,両手掌に有痛性の紅斑と肩関節痛を認めた.症例1, 2ともに組織所見はSweet病に一致するものであった.現在まで,悪性腫瘍を合併するSweet病は自験例を含め16例報告されている.悪性腫瘍を合併しないSweet病と比較すると,40〜50歳代に多い,性差は認められない,など2点があげられた.合併する悪性腫瘍は白血病が75%を占め,しかも骨髄性白血病が大部分であった.一方,自験例のような上皮性悪性腫瘍を合併した症例の報告は少なく,両者の関連が有意であるか否かは不明である.しかし将来の統計学的検討の資料の1つになることを期待して2症例を報告した.
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