Japanese
English
原著
成人にみられた伝染性紅斑22例の臨床的検討
Clinical study of 22 adult cases of erythema infectiosum
篠田 英和
1
,
吉田 彦太郎
2
Hidekazu SHINODA
1
,
Hikotaro YOSHIDA
2
1篠田皮ふ科医院
2長崎大学医学部皮膚科学教室
1Shinoda Dermatologic Clinic
2Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
キーワード:
伝染性紅斑
Keyword:
伝染性紅斑
pp.31-36
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901092
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成人の伝染性紅斑22例の臨床的検討を行った.女性例が21例と圧倒的多数を占め,30歳代が15例みられた.発熱は37.5℃以下の微熱43%,全身倦怠感59%,関節痛(主に膝,手指に多い)59%,手指や下腿の浮腫感55%,さらに指の朝のこわばりが27%にみられるなど,小児例と比較し全身性症状を伴いやすい傾向がみられた.また,手指や下腿の浮腫感および朝の指のこわばりは成人例の特徴と考えた.皮膚症状は,小児例と比較し記すべき違いはなかった.自覚症として,かゆみ2例のほか,チクチク,ピリピリ,チカチカなど各1例あり,小児例では認めにくい症状もみられた.経過は1週間で軽快したものが72%で全身症状を伴いながらも小児例と同じく予後が良かった.なお,自験例では妊娠中の症例が3例あったが,無事出産できた.今後,女性例の場合は胎児水腫の併発もあり,風疹同様,妊娠との関係を念頭においての診療が重要である.
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