Japanese
English
原著
臍部にみられた原発性皮膚カルチノイド
Primary Cutaneous Carcinoid in Umbilicus
西本 正賢
1
,
難波 紘二
2
,
板垣 哲朗
2
,
上村 昻
3
Masayoshi NISHIMOTO
1
,
Koji NANBA
2
,
Tetsuro ITAGAKI
2
,
Akira UEMURA
3
1呉共済病院皮膚科
2呉共済病院臨床病理科
3呉共済病院外科
1Department of Dermatology, Kure Kyosai Hospital
2Department of Pathology, Kure Kyosai Hospital
3Department of Surgery, Kure Kyosai Hospital
pp.471-476
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203047
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79歳,男性.7〜8年前より臍部に板状硬の皮下硬結を触れる.組織所見では真皮中層以下に結節状,索状あるいはリボン状を呈する充実性腫瘍細胞巣がみられ,一部で腺腔形成を示す.個々の細胞は小型で円形の核と中等量のやや好酸性の細胞質を有する.この細胞は親銀反応陽性で,セロトニンをもち,電顕的に多形性に富む分泌顆粒を有する.カルチノイドとして摘出し,尿中5HIAAは減少し正常化した.レ線,内視鏡などで消化器,呼吸器の精査を行なうも,内臓カルチノイドは認められず,皮膚原発と考えた.皮膚原発のカルチノイドとしては第2例目(本邦第1例)にあたる.摘出2年8ヵ月後の現在,再発はない.
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