Japanese
English
原著
続発性皮膚アミロイドーシス—主に非腫瘍性疾患の観察
Secondary Cutaneous Amyloidosis:An Observation Mainly on Non-neoplastic Disease
堀口 典子
1
,
堀口 裕治
1
,
初岡 美智子
1
,
今村 貞夫
1
Michiko HORIGUCHI
1
,
Yuji HORIGUCHI
1
,
Michiko HATSUOKA
1
,
Sadao IMAMURA
1
1京都大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.401-405
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203034
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非腫瘍性疾患169例におけるアミロイド沈着の有無を検討し,比較のため表皮性腫瘍性疾患73例,非表皮性腫瘍性疾患16例についても合わせて検討した.その結果,非腫瘍性疾患では,アミロイド沈着は一般に低率であったが,汗孔角化症と慢性湿疹では高率にみられた.中でも汗孔角化症では12例中7例にアミロイド沈着がみられ,その沈着部位は主にcomoid lamellaの直下にみられた.汗孔角化症における高いアミロイド沈着の原因は,本症が日光刺激により異常クローンを生じ,表皮の変性細胞が生じやすいことと関係があるものと思われた.また扁平苔癬や円板状紅斑性狼瘡の基底層には,チオフラビンT染色でのみ陽性のコロイド体様小体がみられ,扁平苔癬の真皮乳頭層に,チオフラビンT染色でのみ陽性のコロイド体様の集塊状物質がみられた.これらの所見は,コロイド体とアミロイド物質の産生機序の近似性を示唆する所見と考えた.
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